ソムリエとワインエキスパートのレベルの差
ソムリエとワインエキスパートの受験者では、どちらがレベルが高いのでしょうか? よく「プロを目指してるんだからソムリエの方がレベルが高いよ」と言われます。しかし実際にワインスクールで多くの生徒さんを担当すると、実は逆ではないか。。。と良く感じます。ワイン受験.comに蓄積されているデータを基に改めて比較してみました。
ワイン受験.comでは、利用者が解いた全ての練習問題の成績を匿名で記録しています。ある期間の利用者の中から、ソムリエとワインエキスパートの受験者各1,000名をランダムに選び出し、成績を比べてみました。
1,000名の中には、ほとんど問題を解いていない(つまりあまりこのサイトを使っていない)人もいましたので、そういう人を除外すると、下記のようなデータが得られました。
ソムリエ | ワインエキスパート | |
---|---|---|
サンプル数 | 858 | 883 |
標本平均 | 74.19 | 77.27 |
標本分散 | 160.78 | 196.28 |
これを見ると、まずソムリエは分散が小さい、つまり成績にバラツキが少ないのが分かります。一方でワインエキスパートは、できる人とできない人の差が大きくありますね。
平均点を見ると、ワインエキスパートの方が良い成績です。これが誤差の範囲内なのか、または本当にレベルの違いがあるのか? 「対応のない2標本のt検定」と呼ばれる統計学の方法で両者を比較してみました。結果は下記の通りです。
両者を合わせた推定母分散 | 178.99 |
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両者の差の標準誤差 | 0.64 |
t値 | 4.802 |
p値 | 0.0000017 |
統計学的には、t値が2.576以上であれば有意水準1%で差があったと認定されます。つまり99%以上の確率でワインエキスパートの方が、少なくとも知識のレベルは高い、という事が言えます。
ワインエキスパートは趣味で受ける人なのでレベルが低い、と言われることもありますが、そんなことはありません。受験者のレベルはプロを目指す人以上です。受験される方は引け目を感じること無く、また誇りを持って試験に臨んでください。