ソムリエ試験 合格者の感想とアドバイス でんでんさん
第4章 いったい何から始めればいいの? 二次試験対策について
一次試験も無事突破し、次は二次試験。
山崎塾の無料オリエンテーションで二次試験についてもしっかり教えていただけます。そこで流れや合格のポイントは理解できます。そして、とにかく早くテイスティングのトレーニングを進めること。そのため、二次試験対策は5月頃より計画立てて進めるつもりでした。
とりあえず先生セレクトの二次試験対策基本白ワインのセットを購入。しかし、購入したまま実際に開けたのは二次試験一ヶ月前でした。その間なにをしていたかというと、自分の飲みたいワインを買っては、先生に教えていただいた小瓶詰め替え法を試み、ただただワインを飲んで、わけもわからずトレーニングした気でいただけでした。
結局本格トレーニングを始めたのは一次試験後となってしまいました。が、安心してください。二次試験対策方法は非常に明確です。
山崎塾「テイスティング理論講座」に参加しましょう
今年は一次試験後の9月頭に開催されました。二次試験の学習方法は、ここにほとんど全ての答えがありました。皆が悩むであろう学習方法がとても明確で、信じるに値する説得力がありました。
参加が難しい方は「二次試験対策講座」のページを熟読しましょう(文章だけだとなかなか理解が難しいので、できれば実際に参加することをおすすめします)。
わたしの行った二次試験対策
「テイスティング理論講座」に参加した後からは、やることが明確になりました。わたしが実際に行ったワインの練習方法は以下のとおりです。
1. 白赤基本のテイスティングコメントの暗記
「軽めの白・赤」「重めの白・赤」(理論講座にて模範解答を詳しく教えていただけます)
2. 練習に使うワインを選びます
自分の中で選択肢を増やしすぎないように、練習する品種は先生の教え通りに絞りました。
白:
- シャルドネ(樽あり、樽なし)
- リースリング(辛口、甘口)
- ソーヴィニヨン・ブラン
- ゲヴェルツトラミネール
- ミュスカデ
- 甲州
赤:
- カベルネ・ソーヴィニヨン
- シラー、シラーズ
- ピノ・ノワール
- ガメ
- マスカット・ベーリーA
3. ワインを購入します
先生セレクトで購入した3本以外、白赤練習用のワインは自分で選んで購入しました。練習用に購入したワインは以下のとおりです。全て2000円~3000円ほど。ハーフボトルで購入して費用を抑えたものもあります。
白:
- シャルドネ → シャブリ(樽なし)、マコネ(樽なし)、プイィ・フュイッセ(樽あり)、アメリカ(樽あり)
- リースリング → ドイツ(甘口)、アルザス(辛口)
- ソーヴィニヨン・ブラン → サンセール、ニュージーランド
- ゲヴェルツトラミネール → アルザス
- ミュスカデ → ロワール
- 甲州
赤:
- カベルネ・ソーヴィニヨン → ボルドー(ブレンド)、アメリカ(100%)
- メルロ → ボルドー(ブレンド比率がカベルネよりメルロが多いもの)
- シラー → ローヌ
- シラーズ → オーストラリア
- ピノ・ノワール → ブルゴーニュ、アメリカ
- ガメ → ボジョレー
- マスカット・ベーリーA
4. 特徴をとらえて模範解答の作成
白と赤で日を分けて、それぞれ9~10本をまとめて比較テイスティングしました。同品種・国違いの比較、樽香の有無の比較、各品種の特徴をとらえる等。
外観、香り、味わいを確認し、基本のテイスティングコメントに沿って、各ワインの模範解答を作成。先生の理論に基づけば、模範解答の作成も難しいことはありません。
5. 小瓶に詰め替えてシャッフル
そして、余ったワインを小瓶に詰め替え、作成した解答用紙を見えないように括り付けます。後は、毎日小瓶をランダムに選びブラインドテイスティングを行い、解答用紙を埋めていき、答え合わせ。といったような練習を日々繰り返します。
手順としては、外観 → 香り → 味わいによって品種と生産国を絞ります。絞り込めたら、後は暗記した解答に沿って解答を埋めていくだけです。
試験本番に、練習した品種以外のものがでても、練習したワインの中で最も特徴の近い品種の解答をベースに、そのワインの特徴に合わせた選択をしていけばよいのです。正解になりにくい選択肢というのもありますので、それさえ覚えておけば、大きく外すことはありません。
また、あまり多くの品種を練習する必要はありません。(一度飲んでみるのは良いと思います)選択の幅を広げすぎると本番で迷います。
以上が、大まかにわたしの行った二次試験対策です。
オススメの書籍
ここで、テイスティングを学ぶのに非常に役立った書籍を一冊紹介致します。
- ワインテイスティングの基礎知識 久保將(監修)
テイスティングの基礎を優しくわかりやすく解説していて、資格取得後もこの本をバイブルとして繰り返し読んでいます。付録の「二次攻略テクニック」も素晴らしく、各品種(赤白7~10種類ほど)の解答例が載っています。この一冊はぜひ手元に置いておくことをオススメします。
ワイン以外のお酒
次に、ワイン以外のお酒の練習方法です。ワインエキスパートはワイン以外の、その他のお酒が1つ出題されます。
もちろん、先生の理論講座にて解答の導き方を教えていただけます。しかし、ワイン以外のお酒については圧倒的に「飲んだことがある」ほうが有利です。
出題の可能性のあるお酒、60酒類以上はあるでしょうか。これを全部飲んでみるというのもなかなか難しい。しかも緊急事態宣言下でバー等も酒類提供をしていませんでした(行き慣れていないバーに行って、リキュールのテイスティングをお願いするのもかなり勇気が必要ですが、、)。
ちなみに、今年は緊急事態宣言下ということもあり、開催されませんでしたが、アカデミー・デュ・ヴァン講師の矢野恒さん(「ワイン受験ゴロ合わせ暗記法」の著者でもあります)が、毎年ご自宅で二次試験対策用に「蒸留酒・リキュールなどテイスティング会」という計70超アイテムをご用意した会を開いているようです(これに参加したかった...)。
シェリーは先生が紹介してくださった銀座のお店で飲み比べをしました。ポートワインとマデイラは酒屋で安価なものを購入。焼酎やウイスキー、ジンやウォッカなどは過去の経験を信じて...
飲んだことのないお酒は特徴を暗記した
その他の飲んだことのないお酒(40種ほど?)はどうしたかというと、それぞれの特徴を覚えることにしました。色調やアルコール度数、甘味の有無である程度絞り込めます。あとは香りや味わいの特徴の暗記です。
正直全て記憶できませんでした。先生の理論講座では、過去20年分の出題率も教えていただけますので、過去出題率の高いお酒だけは確実に覚えるようにしました。
また、一次試験対策でも参考にした「ケイゾーラボ」というホームページには二次試験対策の勉強法も載っています。先生の理論とは少しだけ違った方法での解答の導き方が載っていましたので、こちらのサイトも活用しました。写真と3つほどの特徴のヒントから選ぶ、4択クイズは暗記に役立ちました。通勤時間などを使ってひたすらこのクイズに挑戦していました。
本番、時間はギリギリ、でも楽しかった!
そして、いざ本番です。平日の月曜日でしたので仕事は休む必要があります。会場は雅叙園東京。遅刻しないように1時間前から会場近くのカフェでノートを見返していました。周りは皆さん同じ受験者のようです。
会場に着くと、立派なホテルにたくさんの受験者に緊張が走ります。山崎先生も応援に駆けつけてくれていました(お声がけする勇気もなく、遠くから会釈させていただきました)。
試験時間ギリギリに会場がオープン。自分の受験番号の書かれた席に着きます。並べられた4つのワインと1つのワイン以外のお酒(明らかに自分のワインだけ量が少ない...)。その他のお酒は無色透明(なんだろう気になる...)。
マークシートの説明が終わるといよいよ本番。試験時間は50分。時間を測っての練習はしませんでしたが、多分時間の余裕はなし。
試験開始の合図と同時に、まずは白ワインからテイスティングを始めます。その他のワインが気になりますが、アルコールの強いお酒だった場合、舌と嗅覚がバカになる可能性があるので我慢です。
- 白ワイン 1
- 樽香なし。柑橘類とミネラル、花の香りと少し桃の香りも? ハーブなど品種特徴香は感じられず。味わいは爽やかで酸味も強い。→ フランス・シャルドネと解答(正解: フランス・リースリング オイリーな特徴香は感じられなかったが、酸味の強さと上質な香りから選択できたかも...)
- 白ワイン 2
- 樽香なし。香りが非常に華やかでアロマティック。甘いフルーツの香り。味わいは酸味こそ穏やかだが厚みを感じる。飲んだことのないワインだと思い、ヴィオニエかピノ・グリで迷いフランス・ピノ・グリを選択(正解: フランス・ヴィオニエ 2択まで絞ったので悔しいが、経験不足なので仕方ない...)
- 赤ワイン 1
- やや濃い目のルビー色。香りは赤いベリー系に甘い樽香、味わいは軽めだが、熟成感もある程度感じる。かなり迷ったがアメリカ・ピノ・ノワールと解答(正解: スペイン・テンプラニーリョ これは選ぶ勇気ない...)
- 赤ワイン 2
- 若さを感じる味わいに、ピーマン香。選択肢にカベルネ・フランがないため、フランス・カベルネ・ソーヴィニヨンと解答(正解: チリ カベルネ・ソーヴィニヨン 若いボルドーワインだと思ったが生産国は残念)
- その他のお酒
- 強いアルコールとタバコのような特徴的な香りで選択肢から自信を持ってテキーラを選択(正解: テキーラ)
その他のお酒は残り時間5分で解答したので、案の定ギリギリでした。
結果、ワインは品種1つ、国2つ、収穫年は先生の理論に基づき3つ、正解。その他のお酒も正解。外観・香り・味わいの選択は大きく外してはいないだろうと思っていたが、品種が1つしか合っていなかったので結果がでるまではドキドキでした。
二次試験を終えての感想は一言「楽しかった」です。真剣にワインと向き合う時間がこんなにも楽しいとは思いませんでした。もっとやりたい! そう思えただけで満足です。
そして、結果は無事「合格」。今までの努力が実って本当に良かった。