ソムリエ試験 合格者の感想とアドバイス ヒロシさん
第3章 二次試験のコメントはパターン化、回答のパターンが見えてきた
1次試験までは2次試験のことなど考える余裕はありませんでした(また、内心、2次の準備をしていて1次落ちたら格好悪い、という気持ちもあり積極的に取り組む意識は低い状態でした。)。
ただ、終わってみての振り返りですが、8月中下旬の1次の後から2次対策をするのは飲む機会が週末に限られていたため、時間的にきつかったです。独学でやられる方で2次対策は1次の後にと考える場合は、できれば1次試験を8月上旬にし、2次試験には2ヶ月程度準備期間があったほうがいいのではないかと思います。
1. ワインの購入: 模範解答付きがオススメ
8月16日に1次試験が終わり、具体的に2次試験で出題されそうなぶどう品種の数をワイン受験.comで確認したところ、10月12日までの毎週土日を利用してテイスティングしても間に合わないであろうことが判明しました。
また、当たり前ですが一定量のワインを購入しないといけません。独学の方は、割高にはなりますが模範解答例が付いているワインを購入されることを強くおすすめします。
私は オペラ のウェブから購入しました。いずれも基本入門編のワインで、フランス(白6本、赤3本)、新世界(赤6、白3)、日本(白1、赤2)を購入し、小瓶も準備できたのは9月に入ってからでした(最終的には、すべてのワインを試飲しきれず、21本のうち14本の試飲に留まりました。)。
2. コメントのパターン化: 冒険はしない
8月29日のワインスクール山崎塾のテイスティング理論講座を受講しました(3,000円)。ここでも非常に効率よく2次試験の傾向と対策を勉強することができました。
2次試験は1次試験の知識が相当役に立つ(生産国、気候、土壌による影響)のですが、回答にはパターンがある、ということを知りました。香りや味わいを取るときに、いろいろな迷いが生じますが、そういう時は「冒険しないこと」が大切だということも学びました。
また、ワイン受験.comでは、過去出題されたワインのコメント例が豊富に載っているので、それをA3の大きさの一覧表にまとめて書き出しました。そうすることで、ぶどう品種ごとの回答のパターンが見えてきました。
3. 自宅での試飲: 適温に調整して試飲
自宅テイスティングでは、1のとおり購入したワインを1回つきに2本開け、1本から2本の小瓶を作成し冷蔵庫で保管しました。
テイスティングに際しては、ワイン受験.comからテイスティングシートを印刷しておき、1種類5分くらいで記入できるようにしました。小瓶がたまり始めたら、白赤それぞれ小瓶2本ずつを1度にテイスティングをしたりしました。
ここで注意すべきなのが、冷蔵庫で保存した小瓶ですが、テイスティングの時には適温で試飲する必要(季節的に温度調整が難しいと思った)があることと、感覚的に2週間程度経過すると味わいや香りが変容することに留意すべきです。
なお、試験が近くにつれ、購入したワイン以外のぶどう種を飲んでおくべきではないか、という心配が頭をもたげ始めましたが「基本品種をしっかりトレーニングしておけば、他の品種が試験に出て、ぶどう品種を外したとしても外観や香り等のコメントでしっかりと点を稼げる」という教えを基にカベルネ・ソーヴィニョン、シラー、ピノ・ノワール、シャルドネ、リースリング、ソーヴィニョン・ブランに絞って試飲をしました。ただ、直前にどうしても心配で、ミュスカデとシュナン・ブランを購入し試飲しました。
4. ワインスクールのテイスティング講習
10月4日、大手ワインスクールの直前対策を受講しました。受けるかどうか最後まで悩んだのですが、本番の雰囲気は知っておいた方がいいと思い、6,000円を払い参加しました。
結果的に、参加しておいてとても良かったと思っています。テイスティングは振る舞い方や体(感覚)の使い方を伴うもので、ある意味スポーツに似たところもあるかもしれません。
動画サイトでは、複数のソムリエの方々が特徴あるテイスティングを紹介されているようです。スクールに行けない方はそうしたものを見てもいいのではないかと思います。
5. その他酒類: バーを活用
約50種類もの酒類をテイスティングするのはコスト及び時間の面から現実的ではないし、回答も選択肢の中から酒類のみを選ぶ形式であることから、バーで何度か飲むことで対応しようと考えていました。
過去問の傾向から同じものが2度出題されることはないだろうと考え、これまでに飲んだことがない10種類程度に絞り込み、2回バーに行きました。事前にワインエキスパートの2次試験対策をしている事情を電話しておいたら、1種類800円程度で試飲させてもらえました。
6. 試験本番: 腕時計不可、吐き出し禁止
雅叙園に集まる人の多さと会場の広さに圧倒されました。本番では、腕時計が使用不可であることを知らず、また部屋に壁時計もないことから、些細なことですが、少々ナーバスになりました。
2020年度は感染症対策のため、酒類は飲みきりでした。来年度はどうなるか分かりませんが、飲みきりとなることを前提に準備されてもいいのではないでしょうか。結果的に、
- トロンテス: ×(リースリングと回答)
- シャルドネ: ○
- カベルネフラン: ×(仏シラーと回答)
- ピノ・ノワール: ○
- ダークラム: ○
という回答でした。
皆さんのご検討を祈っています。