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ソムリエ試験 合格者の感想とアドバイス 渡邊聡さん

第5章 2次試験の学習方法と本番まで

1次を予定よりも早く通過できたことを有効活用しない手はありません。思いも束の間、その日にワイン受験.comの2次試験に向けたワインスクール山崎塾・受験対策直前講座を申し込み、テイスティングの実技に向けては進め方が無知の状態でしたので、次のことからスタートしました。

  • ワイン受験.comの2次試験対策講座を熟読し、まとめた上で大枠を掴む
  • 合格された方々の体験記を読み、どの様な学習ステップを踏んでこられたか参考にする

そして、最終的に、受験対策直前講座で学んだ内容を自分のベースにして、先生に相談した上で学習ルーチンを掴みました。相談した内容は、その他のお酒についてと、スクールの直前模試についてです。アドバイスいただいた通りに全て事を運んでいきます。

どのその他のお酒小瓶セットが良いか、スクールには直前模試は勿論のこと、場慣れするためにも予算と時間の許す限り数回は受講することを勧めて頂きました。特に多くスクールへ通うことは検討していなかったのですが、数回スクールを受講して実践で学んだ事は、本番への余裕度を増したのは勿論のこと、緊張感を持って体で覚えるので、これからのワインライフにも活きてくると思います。これから受験される皆さんには、スクールに通うことを視野に入れて学習に取組まれることを強くお勧めします。

それでは、二次試験の学習方法について少し深掘りしていきたいと思います。

山崎先生の二次試験対策講座(サイトと対面)

コメント: ベースを作る(赤、白)

このベースコメントを記憶することが、本番の焦りと迷いの解消に繋がります。本当に本当に大切です! 自分の感じたコメントではなく、ソムリエ協会が求めるコメントの学習です。

ベースを覚えた上で、スクールに通える方は、学んでいくうちに品種毎どの様にコメント修正が必要か、経験で身についてきます。

品種: 基本6品種以外は出ないと思うくらい拘る

この先生からの教えは、これからも自分のベースとなると思います。同じ品種でも国ごとでここまで違うものかと気付かされます。

品種の特徴をしっかり捉えるため、¥2000以上のワインでトレーニングした方が良いです。予算の都合もあると思いますが、この投資は自分の結果につながるので、授業料と思って割り切った方が良いと思います。(安価なワインは香りや特徴が捉えにくいと思います)

国: 品種ごとに学ぶべき国を決める

ワイン受験.comの二次試験対策講座や対面の講座で先生が的確に教えてくれます。学ぶべき国を決めて、基本6品種はトレーニングを積むことで旧世界と新世界の区別するポイントがわかってきます。

年代: 考えてもわからないので、この講座で学んだことを回答すると割り切る

その他のお酒: 飲んだことのないお酒はわからない

この短期間で如何に多くの酒類を飲むか、香りと甘味などの特徴を抑えることが勝負だと思います。

ワインスクール

先生毎に自分に合う合わないがあると言われていますが、私の場合、先生に相談して紹介いただきました。通学したスクールは第二章を参照していただければと思います。

スクールも基本6品種の基礎固めからはじめ、応用へと繋げていくことにしました。通い始めると香りの取り方やどのポイントで判別するかを実践で学べるので、受講すると新たな知識がどんどん増えていくのが楽しくなり、結果、予定よりも多く通ったのですが、スクールに通うメリットは次の3点が自分はポイントだと思います。

場慣れ

毎回受講される方も違いますし、席も自由に座れるため、今日は一番前の方、今日は一番後ろの右側など、本番でどこの席になっても焦らない様にトレーニングできます。特に、直前模試はその他のお酒も実践できるので自分がどの状態にいるかもわかります。

テイスティングのスピード

本番よりも少し早い時間でトレーニングするため、ある程度コメントのベースを暗記しておく必要がある理由がわかります。これに慣れておくことは、品種を間違えていても慌てずにそのワインのコメントに相応しい選択ができたのか、自分の今の状態が確認出来ます。

更に、私の場合、山崎先生の教えから、1品種毎にメモをとり、一気にコメントを書く方針にしていたため、このメモの取り方、記載する場所をあらかじめ慣れておくことも、本番で活きてきます。

特徴を捉えるポイントが学べる

先生がいらっしゃる実践の場だからこそ、特徴の捉え方に対し自分の弱点に気づきます。特に私の場合、知らない香りがない状態にしたかったため、スクールのアロマセットのサンプルを通うたびに嗅いで振り返ったこと、そして、アルコール度数をしっかり捉えることが本当に大切であると実感しました。

スクールでは自分が間違えた部分に対し、コメントを間違えた理由、どの特徴からこの品種になるのか、なぜその国へつながるのかなど、しっかり先生が説明してくれる内容のメモをとり、場合によっては同じワインを購入して復習もしました。復習の時間の比率が高かったと思います。その積み重ねが、後々の苦手項目の克服、新たな気づきが当たり前につながっていきました。

自宅トレーニング

自宅では毎日トレーニングを行い、この期間は大好きなビールは飲むのを止めてワインを飲みまくりました(笑)。山崎先生から教わったC1000の小瓶を約30本くらい準備し、毎朝2品種(特に香りが取れない品種)、毎晩3〜6品種(赤、白混合)の自主トレを行い、時には同じ品種で違う国(例えば、CSでフランスとアメリカ、SY でフランスとオーストラリア、RLではフランス、オーストラリアとドイツ)で香りと風味、アルコールの違いが国毎に異なる点を体に染み込ませていきました。

この期間は落ち着いてゆっくり美味しいワインをという余裕もなく、ワインを飲む時は常にトレーニングの意識しかなかったと思います。自宅トレーニングで、特に拘って意識していたことは、次の3点です。

  • 品種: 基本6品種を80%くらいまで正解に持っていく(9月いっぱいを目標)
  • アルコール度数: 14%Volを超えているか否か
  • 第一印象: 一番初めに捉える香りを大切にする(意外と正解につながる)
勉強の順番 勉強の順番

さて、最後にその他のお酒についてですが、私自身、もともとお酒好きということもあり、こ れまで結構スピリッツ、リキュール、ウィスキー、焼酎などは好きで飲んでいたので、ワインの特徴を捉える程、時間を要しなかったと思います。

トレーニングするにはあまりにも数が多く、アルコール度数も高いため、休日にすることにしていました。アカデミー・デュ・ヴァンで購入した小瓶セットの動画を視聴しながら、一度は全て特徴などを捉えていきます。

主な私のトレーニング方法は次の通りです。

わかるもの、わからないものを振り分ける

わかるものは時間の無駄になるため、わからないものに集中しました。特に、色、香りの特徴、飲んだ時の感じ方などです。

視覚的に覚える

私の場合、酒屋で瓶やエチケットを見るのも好きだったため、わからないものはその瓶の写真を整理して覚えました。「あー、この瓶のやつか!」という品種が多かったので、理解は早かったです。

小瓶の裏に書いてある品目をマジックで消す

大詰めの1週間前に、瓶の裏に記載してある品目をマジックで消し、名前がわからない様に全て裏にして、一つ一つ確認していきました。この時、外したモノを振分け、色で特徴を捉える場合は待受にして覚えたり、香りは毎朝トレーニングをして体に染み込ませました。

勉強の順番

その他のお酒については、一度口にすることでわかるものが多いと思います。例えば同じ透明色でも香りが強いので特徴を捉えやすいのと、味の甘み度合いで判別することも出来ます。

10/18(試験当日)

当日の朝、全ての品種を一通りテイスティングし直し、先生の教え通り、余裕を持って1時間前に現場に到着しました。結構、この時間でも大勢の方がいらっしゃいました。

自分は試験を受ける時は願をかけるタイプなので、1次試験と全く同じ服装を持参し、着替えて本番に備えました。1次は真夏でしたので、10月に半袖はどうかと思いましたが、周りは気にしていられません。ビジョンは「試験に合格すること」ただそれだけだからです。

会場に向かうエスカレーター前では、なんと山崎先生のお姿!ご挨拶した際に励ましのお言葉を頂き、少しの緊張が和らぎ、身の引き締まる思いを抱きながら2Fへ上がり、試験会場前のボードで席を確認すると前から2番目、周りの方の視界があまり入らないため、自分にとっては好条件です。

会場に入る直前には全身ストレッチを行いリラックスした状態で自分の席に向かいました。先生のおっしゃっていた通り、グラスの中には全てワインが入っており、その他のお酒を見た時、「昨年と同じく透明色だ…」という心の呟き、ワインは意外にも赤がルビー色に近い感じに見えたので、色んな思いが頭をよぎります。

そして、いよいよ試験開始の合図です。一呼吸してからいつもの様にテイスティングを開始。白の1番、いつもの様にメモをとり始め、ニュートラル、香り…あれ?特徴取れない…頭が真っ白状態です。シャブリ?ミュスカデ?酸は?あれ…弱い?ここで時間を取りすぎても仕方ないので、メモは一旦仮決めの品種を記載。

2番目、直ぐに甲州とわかりました。これは、前々日の模擬試験講座で自分が間違えた為、復習していたことで明確に判断できたと思います。次に赤、3番目、濃い紫というよりもルビーに近いためひと嗅ぎした時に、PN?ビラジンいる?CS?、この感覚はアメリカの熟したPNに近い気がすると思い一時的に決断。終わった後のメモを振り返ると、第一印象にピラジン感じていたのに、CSと判断できなかった自分に反省です。4番、シラー/シラーズと分かったのですが、国で迷いました。アルコール度数と味わいのはっきり具合からフランスと判断しました。

そして、ここでも山崎先生の教え通り、水を飲み、最後の2周目で最終判断を行いマーキングへと移ります。白の1番は品種には全く自信がなかったため、山崎先生から教わっていた様に当てに行くというよりは、無難なコメントを選択することとし、安全策をとったため、大きくは外さなかったのではないかと思います。

そして最後のその他のお酒、ひと嗅ぎして独特のさくらんぼの香りがしたので直ぐにわかりました。この時点で残り時間15分くらいはあったと思います。模擬試験でよく失敗していた解答欄記載ミスや、解答個数を慎重に一つ一つ見返し、それ以外は手をつけずに終了を迎えました。

試験が終わり、試験会場を出たその風景がやけに明るく見えたのを今でも覚えています。ここまで支えてくれた方々に感謝の思いと、二次試験の会場にいる自分が夢の様でした。

私の二次試験結果は下記の通りです。いまだに、1番の品種と国を外したのが悔しいです。(残念ながら銘柄はわからないですが笑)

結果

  1. ソーヴィニョンブラン❌ ニュージーランド❌ 2019年❌
  2. 甲州⭕️ 日本⭕️ 2021年❌
  3. カベルネ・ソーヴィニョン❌ アメリカ⭕️ 2019年❌
  4. シラー⭕️ フランス⭕️ 2018年⭕️
  5. オードヴィードキルシュ⭕️

2次試験に要した学習時間: 150H

指標とするデータがないので時間がかかり過ぎたのか否かはわかりませんが…ご参考です。