セットNo.2 白基本3品種 フランス編
ソムリエ、ワインエキスパート二次試験対策ワインセット
白の基本3品種、シャルドネ、リースリング、ソーヴィニヨン・ブランを違うワインでもう一度練習しましょう。
スポーツをやっている方はわかりますよね。同じパターンの練習をひたすら反復練習することは、とても大切なのです。何回も練習すれば、テイスティングに自信が無い方でも、シャルドネ、リースリング、ソーヴィニヨン・ブランを間違いなく区別できるようになってきます。
1. シャルドネ

- ワイン名
- シャブリ
- 産地
- フランス、ブルゴーニュ地方
- 生産者
- ベルナール・ドゥフェ
- 収穫年
- 2016年
- インポーター
- 株式会社モトックス
- このワインの入手方法
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試験に出るシャルドネには、新樽熟成に由来する甘く香ばしい香り、つまり樽香のあるシャルドネと、ステンレスタンク熟成で樽香の無いシャルドネがあります。セットNo.1でははっきりと樽香のあるシャルドネを練習しました。今度はステンレスタンク熟成で樽香の無いシャルドネを練習しましょう。
ブルゴーニュ地方、シャブリ地区のAOCシャブリを選びました。AOCシャブリは昔からソムリエ、ワインエキスパート二次試験に最も多く出題されてきたワインです。また、現在生産されているAOCシャブリの95%くらいは樽香の無いワインです。
トレーニングのポイント
できればフライトNo.1のシャルドネと並べて比較してみましょう。フライトNo.1のシャルドネを全部飲み切らないで小ビンに詰めて保存しておくと良いですね。フライトNo.1のシャルドネに感じられて、このシャルドネに感じられないものが樽香です。
また、このワインにはフレッシュな乳製品の香り、特に牛乳をベースにして作った杏仁豆腐の香りが感じられると思います。これはマロラクティック発酵に由来する香りで、このワインに限らず多くのシャルドネワインに共通して感じられる重要な香りです。樽香が弱いまたは無い時は、この香りがシャルドネを識別する手がかりになります。ぜひご自身で牛乳をベースにした杏仁豆腐を作って確かめてみてください。簡単に作れますよ。
最後に風味の濃厚さの違いにも注目しましょう。セットNo.1のシャルドネは、ブルゴーニュの南の地区で生産されています。一方このシャルドネは、ブルゴーニュの北の地区で生産されています。両者は直線距離にして200kmほど離れていて、これは日本で言うと東京と仙台くらいの距離です。そのため、かなり気候に差があり、それがブドウの熟度の違いとなってワインに表れてきています。ブルゴーニュのシャルドネは、試験に最も出やすいワインですが、味わいにはこれくらいの幅があるのだと理解しましょう。
2. リースリング

- ワイン名
- ヴィッラ・ローゼン・モーゼル・リースリング
- 産地
- ドイツ、モーゼル地域
- 生産者
- ドクター・ローゼン
- 収穫年
- 2016年
- インポーター
- 株式会社モトックス
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リースリングは、フランス、ドイツ、新世界産のものが出題されますが、試験に最も良く出題されるのはフランス、次にドイツです。セットNo.1では軽くてすっきりした風味の典型的な試験に出されるアルザス・リースリングを練習しました。今度はドイツのリースリングで試験に良く出される典型的なタイプを練習しましょう。
トレーニングのポイント
ドイツのリースリングは中甘口、つまりほのかに甘いものが良く出題されます。また、アルコール度数が低いのが特徴です。もしも試験で中甘口の白ワインが出題されたら、下記のワインの可能性が強いと考えてください。
- ドイツのリースリング
- フランス、ロワールのシュナン・ブラン
- イタリアのモスカート・ビアンコ
モスカート・ビアンコはたいてい微発泡しているのですぐわかります。リースリングとシュナン・ブランの見極めは難しいのですが、アルコール度数の強弱が決定的な手がかりとなります。ぜひこのワインを実際に味わい、口中で感じられるアルコール度数の低さを記憶してください。これがアルコール度数8.5%の感覚です。これくらい度数が低いと思ったら、ドイツのリースリングです。シュナン・ブランはたいてい12%くらいあります。
また、このリースリングにはミネラル香と言われる鉱物質な香りが感じられます。このような香りは、ソムリエ、ワインエキスパート二次試験では「貝殻」「石灰」と表現されます。定番の表現です、覚えておきましょう。
3. ソーヴィニョン・ブラン

- ワイン名
- プイィ・フュメ
- 産地
- フランス、ロワール地方
- 生産者
- ドメーヌ・タボルデ
- 収穫年
- 2016年
- インポーター
- 株式会社モトックス
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ソーヴィニョン・ブランは、フランスのロワール地方産のものが一番良く出題されます。AOCで言うとサンセールかプイィ・フュメのどちらかが出題されるでしょう。セットNo.1ではサンセールを練習しました。今回はプイィ・フュメを練習しましょう。この2本でフランスのソーヴィニョン・ブランを完璧に覚えてください。
このワインは、ステンレスタンク熟成です。樽香はありませんが、風味には少しコクがあります。
トレーニングのポイント
セットNo.1のソーヴィニョン・ブランと並べて比較すると興味深いと思います。どちらもロワール地方のワインですが違いはAOC、つまり畑の位置です。セットNo.1はAOCサンセール、このフライトはAOCプイィ・フュメです。この二つのAOCは隣接しているのですが、サンセールの畑は小高い丘にあり,プイィ・フュメは川沿いの平地です。プイィ・フュメの方が標高が低いためわずかに平均気温が高く、それがブドウの熟度の違いとなって現れるいるのが感じられますか? このフライトの方が少しコクがありますよね? ここまで難しいことは試験には必要ありませんが、違いを感じて楽しんでみてください。これがいわゆる「テロワールの違い」です。
そして、このセットでもシャルドネとソーヴィニョン・ブランを間違いなく区別できるようになりましょう。どちらも樽香はありませんので、樽香以外の違いに着目して見わけられるようになってください。
試験に出るシャルドネは、ほぼ全てマロラクティック発酵を行い、酸味をまろやかにしたワインです。一方でソーヴィニョン・ブランはマロラクティック発酵を行いませんので酸味が強くなります。つまり両者は酸味の強さが大きく違うのです。このポイントに気付けば、両者を間違いなく区別できるようになると思います。
このページで紹介したワインの入手方法
インターネットで探して購入されると良いと思います。収穫年などが変わっていても、ワインのスタイルは大きくは変わりませんので、その時に買えるものを入手されることをおすすめします。