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オーストリア・ワイン法

日本ソムリエ協会教本2024 P.333〜357

オーストリアのワイン法(重要度A)

オーストリアのワイン法は、ドイツの(2020年までの古い)ワイン法とよく似ているのですが少し違うところがあります。そこを整理して覚えましょう。

まず、「カビネット」というカテゴリーは、ドイツではプレディカーツヴァインの中に属する一カテゴリーです。しかし、オーストリアでは独立した一つのカテゴリーです。また、 ドイツとオーストリアでは、プレディカーツヴァインに含まれるカテゴリーが微妙に異なります。

ドイツの場合(P.508)

  • プレディカーツヴァイン
    1. トロッケンベーレンアウスレーゼ
    2. アイスヴァイン
    3. ベーレンアウスレーゼ
    4. アウスレーゼ
    5. シュペトレーゼ
    6. カビネット(プレディカーツヴァインに含まれる)

オーストリアの場合(P.341)

  • プレディカーツヴァイン
    1. トロッケンベーレンアウスレーゼ
      (アウスブルッフに注意)
    2. シュトローヴァイン(ドイツには無いカテゴリー)
    3. アイスヴァイン
    4. ベーレンアウスレーゼ
    5. アウスレーゼ
    6. シュペトレーゼ
  • カビネット(プレディカーツヴァインに含まれない)

例題: 次の中から正しい物を選択してください。

  1. カビネットは、ドイツのワイン法ではクヴァリテーツヴァインに含まれるが、オーストリアのワイン法ではプレディカーツヴァインに含まれる。
  2. カビネットは、ドイツのワイン法ではプレディカーツヴァインに含まれるが、オーストリアのワイン法ではプレディカーツヴァインには含まれない。
  3. カビネットは、ドイツのワイン法でもオーストリアのワイン法でもクヴァリテーツヴァインに含まれる。
  4. カビネットは、ドイツのワイン法でもオーストリアのワイン法でもプレディカーツヴァインに含まれる。

正解: 2

例題: 次の説明に最も良く合致するオーストリアワインのカテゴリーを選んでください。 「完熟したブドウを藁もしくは葦の上で、あるいは空中にひもで吊して自然乾燥させ、糖度の高くなったブドウで造る。」

  1. ベーレンアウスレーゼ
  2. シュトローヴァイン
  3. ベルクヴァイン
  4. アウスブルッフ

正解: 2

また、下記のような記述にも注意してください。

  • オーストリアのカビネットはドイツのそれよりもエクスレ度が高い(P.339右)
  • カビネットは補糖不可(P.341左)
  • クヴァリテーツヴァインの最低アルコール度数(P.341左)

注: P.339左下〜の「KMW糖度」は分かりにくい文章ですよね。エクスレ度とKMW糖度は単位が違うだけで、下記の式で相互に変換可能です。

エクスレ度 = 220800 / (220.8 - KMW糖度) - 1000

オーストリアのカビネットは最低17°KMW、これをエクスレに換算すると約83度です。一方ドイツのカビネットは最低70〜85エクスレ度。つまりオーストリアの方が少し基準が厳しいよ、ということが教本に書かれている主旨です。

例題: 次の中からオーストリアのクヴァリテーツヴァインの最低アルコール度数を選択してください。

  1. 9度
  2. 5.5度
  3. 7度
  4. 11度

正解: 1

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