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ソムリエ試験 合格者の感想とアドバイス H.T.さん

第2章: マイナー産地は後回し、メジャー産地の問題を落とさない

4月下旬に山崎先生推薦の杉山明日香先生の参考書の最新版が出たので早速購入しました。ざっと目を通してみたところ、とても簡潔にわかり易くまとまった参考書だったので、マイナー地域は最悪時間が足りなければ、参考書を読むだけでもいいか? と一旦後回しにすることにしました。

その代わりに4月後半からGWに掛けては時間をゆっくりと取って、「予習」していた旧世界を中心にメジャー地域について、教本と照らしながらの動画再視聴、参考書の熟読、問題集を重点的にやって基礎をしっかりと固めました。特に、メジャー産地に関して暗記すべき重要ポイントは特別な対応をしました。

ボルドー格付シャトー

メドック2級3級4級、ポイヤック以外の5級、グラーヴ、ソーテルヌ&バルザック(1級のみ)を語呂合わせで並べて書いた紙をトイレに貼って覚えました。(これは受験当日まで継続)

地図問題対策

  • ブルゴーニュ コートドニュイのAOCの位置
  • ブルゴーニュのグランクリュ コルトン系以外の3か所の畑の位置
  • ボルドーのAOC、ローヌ渓谷のAOC、シャンパーニュのグランクリュ
  • 米国ナパ、NZの産地、スペインの産地、チリの産地、ドイツの産地、イタリア全州

については 地図画像をスマホにDLして移動中などの暇な時間にチェックしました。

弱点対策

特に問題集で一番の難敵だったフランス ロワール、南西地方は川と産地の関係をデフォルメしたオリジナルの地図を作成して、主要AOCの赤・白・ロゼ・甘・辛を書き込んで適宜チェックしました。

主要国のプロフィール

  • データを国別の表にして適宜チェック
  • 上位3品種(白ブドウ・黒ブドウ・総合)、産地の緯度、ワイン生産量、ブドウ栽培面積

追い込み 5月中旬~6月初旬

5月の中旬からは後回しにしていたマイナー生産国の勉強に入りました。ワイン受験.comで動画視聴をしながら覚えるべきポイントをノートに書きこんで、要約された参考書を一読する程度に割り切りました。

メジャー国に比べると時間はあまり掛けませんでしたが、スイスとオーストリアに関してのみ、自分の興味と、出題増加傾向を鑑みて力を入れました。(欧州に出張する際にスイス、オーストリアを経由することが多く、お土産にワインを買って帰ることが多いため)

マイナー国に関して教本は地図を見る程度として、問題集を解くことで実践的に知識を高めていきました。

この時点で、ノートは4冊になりました。覚えるべきことはすべてノートにまとめたので、復習は基本的にノートを読み返すことに終始しました。

模擬試験に取り掛かる 6月初旬~7月中旬

6月初旬以降は、そのほかの酒類、テイスティング、購入保管、チーズ、料理などを動画と教本で学びながら、ワイン受験.comの模擬試験を時間を計りながら週に10回くらいはやりました。

ここまで単元ごとに問題集をかなりこなしてきたおかげで、模擬試験はいきなりでかなり好成績を上げられました。最終的には、問題集・模擬試験合わせて2月から一次試験直前までに合計20000問以上 やりました。

自分の感覚的には自信あり70%、2つまで絞れる20%、お手上げ10%くらいのイメージで、85%~90%は正答出来るようになりました。「お手上げ」は主に、ドイツのベライヒ、ブルゴーニュのモノポールとプルミエクリュ辺りで、これらは割り切って捨てることにしました。

一次試験当日、想像を上回る難問

そして、いよいよ。感覚としては「やっと迎えられた」一次試験日程到来です。模擬試験の成績がことのほか良かったこともあり、「さっさと受かってすっきりしたい」との衝動から1次試験日程初日の午前中に1度目を予約してしまいました。

試験当日は特別な緊張感もなく、指定された会場で「いざ試験開始!」ところが!!! 開始直後の10問ほどで「あれれっ?!」と思いました。想像をはるかに上回る難問だらけだったのです。。。

これまでは無かったはずの記述問題や、6つの選択肢から2つを回答する形式に始まり、消去法で絞ろうにも消去できる選択肢が見当たらない難しい問題、聞いたこともない産地に関する問題のオンパレード。

解けたと思ったのは50%ほど

「間違えて上級レベルを受けてしまったのか?!」と思ってしまうほどでした。自分の感覚的には、自信あり50%、2つに絞れる25%、お手上げ25%でした。こんなに出来ない感覚は初めて・・・もしかしてヤバいかも・・・という焦り。

時間切れ寸前におそるおそる回答終了ボタンを押したところ、「B判定」のメッセージの表示!心の底からほっとしました。

正直かなり自信があったのに、結果は薄氷を踏む思いでのB合格でした。反復学習でメジャー生産国の基礎をじっくりしっかり固めたことで基本問題を落とさなかったことが勝因のはずだとつくづく思います。

おそらく2023年の一次試験は参考書だけの付け焼刃の学習では、一冊を完璧に暗記していない限り合格できないレベルだと感じました。この傾向が今後も続くのだとすれば合格にはかなりの努力が必要でしょう。