ソムリエ試験 合格者の感想とアドバイス K/Mさん
第5章: ニ次試験本番、テイスティングは2回転行う
試験当日は、これまでいろいろと対策をしてきたものの、やはり緊張しました。席に着くと、白ワイン2種、赤ワイン2種、その他のお酒1種がすでに並んでおり、試験の説明などで少し時間があるため、色についてはじっくり観察することができました。
私の場合、白ワインが冷えすぎていると香りを取りづらく感じることがあったため、普段から赤ワインからテイスティングを始めるようにしていました。
また、これは山崎先生の講義でも教えていただいたことですが、テイスティングは1回だけでなく、2回転目も行うことも意識するよう心がけていました。いまだにうまくテイスティングはできていませんが、1回目のテイスティングで品種の候補を広げ、2回目で品種を絞りこんでいけるようになることを目標としていました。
実際のテイスティングした際に感じたことは以下の通りです。
赤ワイン1. 紫がかった濃い目の赤 → 品種、国ともに正解
1回目のテイスティングでは、香りはヴァニラ感があったため、ニューワールドを疑い、タンニン・酸味もあり、アルコール度数も高いと感じました。2回目のテイスティングでも、香りにヴァニラの甘い感じがしたため、アメリカ、チリ、オーストラリアの中だとどうかを考えました。
チリの青さ、オーストラリアのスッとするようなメントール感がないと判断しアメリカに絞り、品種をカベルネ・ソーヴィニョン(アメリカだと、ジンファンデルということもあるかもしれませんが、ジンファンデルは飲んだ経験が薄いため除外)として、運よく品種・産地とも正解でした。
赤ワイン2. 若干オレンジがかった薄めの赤 → 品種、国ともに不正解
見た目からピノノワール、MBA、もしかしたらガメイなどと感じていました。1回目のテイスティングでは、香りにヴァニラ感は感じず、オールドワールドを疑い、タンニンも緻密な感じがし、アルコール度数は赤ワイン1に比べるとそこまで高くないと感じました。
タンニンとアルコール度数からネッビオーロはないのではないかと思い、やはりピノノワールという思いが頭をよぎっていました。2回目のテイスティングでも香りにヴァニラの甘い感じはせず、1回目と同じような感じで飲んだため、フランスのピノノワールと絞りました。
正解は、イタリアのサンジョベーゼだったので、見た目にかなり引っ張られた結果となりました。これは反省点です。
白ワイン1. レモンイエローの白 → 国のみ正解
1回目のテイスティングでは、香りはニュートラルだけど少し青さを感じ、アルコール度数もそこまで高くない感じでした。この段階であまり品種は絞っていきませんでした。2回目のテイスティングでは、香りは少しアロマティックに感じるがハーブっぽさはそこまで感じないという印象です。
味わいは苦すっぱさを感じ、品種をリースリング、ソーヴィニヨンブランと絞りましたが、自信はありません。苦すっぱい感じからリースリングとし、産地は頻出国のフランスとしました。正解は、フランスのミュスカデでした。
白ワイン2. やはりレモンイエローの白 → 品種のみ正解
1回目のテイスティングでは、香りはニュートラルで、味わいは酸味があり、アルコール度数はそこそこという感じです。白ワイン1も1回目のテイスティングでは香りがニュートラルだったので、白ワイン2種ともニュートラルはあるかなと疑問を感じていました。ニュートラルな感じだったので、品種まではまったくたどり着けずに2回目でどう感じるかで判断しようと考えていました。
2回目のテイスティングでも、香りはやっぱりニュートラルな感じがしています。白ワイン1がアロマティック品種と思い始めていたので、ニュートラル品種であるというルートから外さずにいく気持ちが芽生えていました。
味わいは酸味と若干のにがみがある気がして、自信はないものの頻出品種のシャルドネ(第2候補はミュスカデ)とし、産地もフランスとしました。白ワイン1、白ワイン2ともにフランスというのはないかもしれないが、どちらかが正解すればいいという気持ちでした。
正解は、日本のシャルドネでした。産地を日本とする勇気はありませんが、ニュートラル品種に絞り、シャルドネが正解できたのはよかったです。
その他のお酒は茶褐色 → 正解
香りは甘いヴァニラ感があり、飲んだことのあるウィスキーだと思い、味わってみたところアルコール度数も高く、選択肢からバーボンを選びました。正解は、バーボンでした。
二次試験は本当に時間との戦いで、余裕がまったくないギリギリの試験でした。テイスティングするほど少し酔いもまわってきますし、マークシートに記入するのにも時間がかかり、気づけばあっという間に50分が過ぎていました。
試験日の夕方に品種・産地・ヴィンテージの結果が発表されました。品種は2つ正解、産地も2つ正解、その他のお酒についても正解という結果となりました。合格発表まで少し期間がありましたが、その間は気持ちが落ち着きませんでした。それでも、知人のソムリエやワインエキスパートの先輩方から「この正答率であれば合格間違いないよ」と励ましていただき、少しずつ気持ちが楽になっていきました。
二次試験のテイスティング対策中は、どうしても「勉強」としてワインを飲む感覚になり、楽しんで飲む余裕を忘れがちでしたが、試験が終わり、以前のようにワインを純粋に楽しめるようになってきました。結果は無事に合格!一次試験に続き、努力が報われた安心感で、ようやく肩の力を抜くことができました。。