ソムリエ試験 合格者の感想とアドバイス Tactさん
第8章 「自習テイスティング模擬試験」のやり方
小瓶をランダムに4本取り出し、グラスに注ぐ
小瓶に分けておいたストックの中から、赤白各2本 = 計4本の小瓶を取り出します。瓶底に貼ってあるラベルを見ないことはもちろん、色もなるべく見ないでクジを引くように取り出します。瓶底の盲牌ももちろんいけません。
取り出した小瓶に、後で消せるようにホワイトボードマーカーで、1~4までの番号を振っておきます。
本番の試験と同じように、それらを白いクロスを敷いたテーブルに横一列に並べて、テイスティンググラス4脚に注ぎます(区別するため、テイスティンググラスの台座に、注いだ小瓶と同じ番号を書くか、本番と同じように白い台紙に番号を書いてその上にグラスを置くのも良いでしょう)。
試験本番時の各ワインはグラスに50mlずつ注がれますが、私は回数をこなしたかったのでその半分くらいの量で行いました。
特徴をメモし、品種の判別
ワインの品種を判別しながら、解答用紙(山崎先生のテイスティング講座でもらったものをコピー)に記入して進めてもよいのですが、まず最初に品種や産地を当てられなければ、その後のコメントはすべてトンチンカンになり、ハズレということになります。
そのため私の場合は、いきなり解答用紙に記入することはせず、ワインを判別するための基礎となる項目(色、特徴的な香り、味、アルコール度、タンニン、酸味、余韻など)だけをまず「メモ用紙」にざっと書き、それらの情報を、テイスティング講座で習った分類方法で分類し、品種、生産国、ビンテージを回答して答え合わせ、という方法で行いました。
品種をある程度判別できてからコメントに進む
品種がある程度判別できるレベルになるまで、コメントを解答用紙に記入するのは我慢しました。くどいようですが、品種の見当が外れたら解答は全滅になる可能性が高いためです。まずはとにもかくにも「品種と生産国を判別出来るようになる」「生産国が分からなくても品種は外さない」くらいになるまで「品種」の判別にこだわりました。
品種と生産国を自分なりに判別できるようになってきたら、あとはテイスティング講座で教わった「各品種別の典型的なコメント」を、解答用紙に一気に書き込むだけです。書き込むべき赤白各2パターンのコメントは頑張って覚えます(私は、各コメント用語の頭文字を繋げて呪文のように暗唱しました)。
生産国によって典型コメントの多少のバリエーションはありますが、そこは決め打ちします。間違えたとしても誤差として割り切ります。絶対にマークしてはいけないコメント選択肢もありますので、そういうところにも注意します。
しかしビンテージは分からない...
ビンテージに関しては、私のような凡人にとって当てるのはかなり難しかったです。今でも自信はありません。若い or 熟成の違いは分かるかもしれませんが、1、2年の差はハッキリ言って謎です。その点は、過去の出題傾向や山崎先生の講座で教わった方法でヤマを掛けました。結果的にほとんど外してしまいましたが...
このように、テイスティング理論に基づいた判別方法を使い、それでも間違えたワインは何度か繰り返し、納得行くまで比較を続けました。
23日間で31回の「自主テイスティング模擬試験」を実施
今まで色々なワインを散々飲んできたので簡単に分かるようになるかと思いきや、そうは問屋が下ろさない。始めた頃はハズレの連続でした。ですがそこは冷静に、五感を研ぎ澄ませながら山崎先生の講座で教わった基本の分類方法を当てはめて行きます。
テイスティングの際はブラインドで小瓶を選択しているので、品種の違いだけでなく、同品種で違う産地やビンテージに当たったり、同じワインが2つ出て意表を突かれたりと、結構面白い訓練になりました。
品種の正答率は6割まで上げた
二次試験までの23日間で行った「自主テイスティング模擬試験」は31回を数えました。その結果、平均の正答率は約6割まで上がりました。ただその内訳は、全問正解のときも半分付近ときもあっての6割で、最後まで正解率の振れ幅が小さくなることはありませんでした。
どうしても間違えたり判別出来なかったりする品種は残りましたが、それでも自分のテイスティング能力をなんとか「有り得ない酷い間違いはしない」位のレベルまで持っていくことが出来ました。
「ワイン以外の飲料」は後回し
二次試験では、ワイン以外のアルコール飲料1つが何かを当てる問題が出題されます。これも重要ですが、配点は数点でその割には出題範囲が広いため優先順位を下げ、私は試験の数日前から取り組みました。
バーに通うのはコロナで断念、ネットで購入
色々なアルコール飲料をショットで飲めるバーに行く計画も立てていたのですが、コロナの心配もあったため断念。その代わり、通販サイトでワイン以外のアルコール飲料の小瓶を10数種購入して訓練しました。これらの中にはアルコール度数の高いものも、とてもストレートでは飲めないものもあったため、外観と香りを中心に比較しました。
このようにして「頭」と「五感」を鍛えながら、二次試験の日が来るのを待ちました。
確固たる自信は付きませんでしたが、大きな間違えさえしなければ多分大丈夫。もし落ちたって来年もあるし、別に死ぬわけでも、ワインを飲めなくなる訳でもあるまいし。ダメだったらヤケ酒(ヤケワイン)でも飲んでやる。そうやって開き直りました。