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ソムリエ試験 合格者の感想とアドバイス テンテケテンテンさん

第2章 二次試験「4人に1人が不合格」は少なくない

2023年、「ドーピング」を決意

自己弁護のようですが、二次試験の合格率は70~75%、つまり不合格率は25~30%、この数字は決して「少なくない」ということです。理由は後述しますが、今回のラストチャンスで、やっとそのことに気づきました。

「3度目の正直」も叶わなかった2022年末、テイスティングは訓練次第というけれど、自分は突出して才能がないのかも知れない。それでもやはり諦めたくないと、ついにスクールに通うことに決めました(=ドーピング、笑)。万が一、2023年の二次試験もダメだった場合も視野に、一次試験の知識も学び直しておく意図もありました。

周囲の勉強量に仰天

いざスクールに通ってみて、クラス生が筆記のみならず、テイスティングもかなりしっかり対策していることに驚きました。一次試験終了後は、あちこちで勉強会が開催され、テイスティング対策に関する情報収集・共有にも熱心な方が多く、刺激を受け、助けられました。

皆がしっかり対策しているのに、4名のうち1名は残念な結果というのは、ひょっとしたら紙一重の差なのだろうと、だからこそみんな必死なのだろうと、自分はどこかでタカをくくっていて、失敗を繰り返してきたのだと痛感しました。

以下、「4度目の正直」で合格をつかむ上で効果があったと思うテイスティング対策の主なポイントをお伝えします。すべて過去3回は出来ていなかったことです。

ポイント1: フォームを確立する(テイスティング、コメント記入)

テイスティングはもちろん、回答のスタイル(コメントチェックからマークシート記入まで)についても、自分なりのフォーム(型)を確立することが重要と思います。私の場合、テイスティングは、「香りをとったあと、少量味をみるよい」(香りは裏切るが、味は裏切らない)というアドバイスが目から鱗でした。

前年の二次試験で「外観」「香り」で品種を想定して突き進み、いざ口に含んで想定していた味と大きく違った、「敗因」でもあったからです。

回答スタイルも人それぞれと思いますが、なんと過去3年間は最初から直接マークシートを塗りつぶしていました。コメントシートの欄外に番号をメモするかたちに矯正したところ、マークシートに転記する際に再確認することに繋がり、手戻りもなくスムーズでした。細かいことですが、こちらも早めにフォームを決めておくことをおすすめします。

ポイント2: 二次試験でも積極的に「アウトプット」を

もう1つ、過去3回ほとんど出来てなかったのが、二次試験の「アウトプット」です。つまりテイスティングについても「問題を解きまくる」こと。それも「品種当て」ではなく、本番と同様に外観、香り、味わい、評価までコメントを取ることを繰り返す、「模擬試験」の場数をこなすことです。

スクールの後は、正解と自分の解答を突き合わせて確認するようにし、自宅でもコメント付きの試験対策ワインを購入して、正解・解答の突き合わせを行い、9月後半頃からは「エノテカ」(丸の内)、「Wine@」(恵比寿)など本番に近い形式でテイスティングできるお店にも通い、トレーニングを重ねました。これがテイスティング力アップというよりは、点数アップの上で最も効果的だったと思います。

ポイント3:「品種当てゲームではない」ようやく実感!

テイスティングでも「問題を解きまくる」を繰り返すうちにようやく「コメントを寄せる」ことの大切さを体感できました。それまでは品種当てに一喜一憂するばかりで、それ以外のコメントを丁寧に取ることを怠っていたのですが、品種が違ってもコメントが極めて近いワインがあること、合格者体験記でよく見る「品種を全部外したが合格」があり得ることを腹落ちできました。

例えば自宅で、当初は品種だけで「サンジョヴェーゼ」と「フランスのピノ・ノワール」を間違えて落ち込んでいたのですが、正解のコメントシートを見比べて、上の部分のコメントがとても近いことに気づきました。

他でも「品種は外したけれどコメントは近かった」という経験値が増え、それが「ではなぜ品種を外したのか?違いは何か?」という弱点の発見にも繋がり、よく間違える品種を徹底的に比較するなど、追い込み学習のフォームの確立にも繋がりました。