テイスティング・コメントの選び方・香りの概要、第一印象
香りのコメントの概要
香りは下記の2項目についてコメントします。配点は全て同じで1個1点です。
- 第一印象
- 特徴
特徴は、8〜10個選んでください、と指示されることが多いようです。数が多いので、下記のように項目別に分けて解説します。
- 基調香
- 果実
- 花
- 葉
- 枯れ葉
- 木
- 米
- 乳製品
- その他
最初に教本P.156〜157を一読してください。個々の香りについて説明されていますので、全体像をつかんでおきましょう。以下、順番に説明いたします。
第一印象
SAKE DIPLOMAでは、まず最初に「一言で言ってどんな香り?」ということを、下記のような用語で表現します。まず、個々の用語の使い方は下記の通りです。
- 1. 若々しい
- バナナ系の果実香(酢酸イソアミル系の吟醸香)を感じる
- 2. さわやかな
- アルコール臭、アセトアルデヒド臭など木香様の香りを感じる
- 3. 華やかな
- リンゴ系の果実香(カプロン酸エチル系の吟醸香)を感じる
- 4. ふくよかな
- 上品な穀物の香りを感じる
- 5. 芳醇な
- 穀物の香りを強く感じる
- 6. おだやかな
- 香りが弱い(主に純米酒や本醸造酒に用いる)
- 7. 熟成香を感じる
- 熟成香または老ね香を感じる
選択の指針
ここは2個選んでください、と指示されることが多いようです。
お酒のタイプ別に5つのタイプに分けて考えることをおすすめします。下記のタイプに当てはまらないお酒については、どのタイプに一番近いかを考えて、それを当てはめましょう。
純米大吟醸酒、大吟醸酒
「大」がつく(純米)大吟醸酒の場合には、1. 若々しい と 3. 華やかな をセットで選ぶことをおすすめします。本当は 1. 若々しい と(純米)大吟醸酒は必ずしもリンクしませんが、試験では若々しくない(つまり熟成古酒となった)大吟醸酒は出ないと思います。したがってこの組み合わせが正解となりやすいと思います。
純米吟醸酒、吟醸酒
「大」がつかない(純米)吟醸酒の場合には、普通は香りがおだやかになります。またさわやかでフレッシュ感のある香りが主体になってきます。そのため、2. さわやかな と 6. おだやかな をセットで選ぶことをおすすめします。
速醸系酒母の純米酒
このタイプの酒は上立ち香が弱く、フルーティな香りはあまり感じられないと思います。そのため、5. 芳醇な と 6. おだやかな の組み合わせをおすすめします。矛盾する選択のようですが、この両方が正解ということは多々あり、点を取りやすい選択だと思います。
生酛山廃系酒母の純米酒
このタイプの酒は、まず 4. ふくよかな を選択することをおすすめします。もう一つ選ばなくてはいけませんが、色がほとんど無い場合には 5. 芳醇な を、 色が濃い場合には 7. 熟成香を感じる をおすすめします。
熟成古酒
色が濃いお酒の場合は、このタイプを当てはめましょう。5. 芳醇な と 7. 熟成香を感じる の組み合わせをおすすめします。