テイスティング・コメントの選び方・特定名称
特定名称について
SAKE DIPLOMAでは各お酒の特定名称が問われ、下記の中から1つ選択します。配点は1個4点もありますので、必ず当てたいところです。
- 純米大吟醸酒
- 大吟醸酒
- 純米吟醸酒
- 吟醸酒
- 特別純米酒
- 特別本醸造酒
- 純米酒
- 本醸造酒
特定名称の考え方
香味から特定名称を当てる時の基本的な考え方は、精米歩合とアルコール添加の有無を軸に考えることです。下記の図をご覧ください。図をクリックすると拡大されます。
まずx軸(横軸)にアルコール添加の有無を取ります。アルコール添加されているお酒はキレや軽さが感じられることが多く、逆にアルコール添加が無いと旨味やコクを感じられることが多くなります。
次にy軸(縦軸)に精米歩合を取ります。精米歩合が30%や40%のように低いと果実や花の香りが感じられる酒になりやすく、逆に70%や80%のように高くなると穀物や乳製品の香りを感じる酒になりやすくなります。
4つの象限のどのあたりにお酒が位置するかを考えて、特定名称を推測します。4つの象限の隅にある赤字の特定名称は、比較的当てやすいと思いますが、青地の特定名称は微妙で当てることが難しいと考えてください。
また例外が多々あり、この通りやっても当てられないことは良くありますが、まずはこのように考えるのが基本です。
各特定名称酒の割合
現在の特定名称酒の製造量全体の中で、各特定名称がどれくらいの割合を占めるか知っていますか? 多い順に下記の通りです。(令和5年度の国税庁統計より)
- 純米酒および特別純米酒: 36%
- 純米吟醸酒および純米大吟醸酒: 36%
- 本醸造酒および特別本醸造酒: 15%
- 吟醸酒および大吟醸酒: 13%
アルコール添加されていない純米系のお酒が72%を占めていますね。一方でアルコール添加されたお酒は28%しかありません。
選択の指針
迷ったら純米系
試験の出題も、おおむね上記の統計と傾向が一致します。アルコール添加されていない純米系のお酒は出題の3/4くらいの割合を占め、アルコール添加されているお酒の出題は1/4くらいしかありません。つまり、純米かアル添か分からなかった時は、
- 純米大吟醸か大吟醸か迷ったら → 純米大吟醸
- 純米吟醸か吟醸か迷ったら → 純米吟醸
- 純米か本醸造か迷ったら → 純米
と選択する方が無難です。
許される回答には幅がある
特定名称は完璧に当てられなくても得点できます。例えば、
- 正解が純米吟醸 → 特別純米と回答しても正解にしてくれることが良くあります
- 正解が特別純米 → 純米と回答しても正解にしてくれることが良くあります
つまり上記の図で、上下1つくらいのずれは許容してくれることが多いのです。あまり神経質になる必要はありません。しかし左右のずれは許容されません。例えば、
- 正解が純米吟醸 → 吟醸と回答した場合は正解にはなりません
- 正解が純米 → 本醸造と回答した場合は正解にはなりません
なので、アルコール添加の有無はしっかりと考える必要があります。