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テイスティング・コメントの選び方・米の品種

米の品種について

SAKE DIPLOMAでは米の品種が下記のような設問で尋ねられます。

  • 山田錦を使ったお酒の番号を全て選択してください
  • 五百万石を使ったお酒の番号を全て選択してください

1個または複数個の番号を選択します。選択個数は年により異なり解答用紙に指示されています。

今までに問われたのは山田錦または五百万石が中心で、2023年に初めて雄町が問われました。今後もおそらく主要4品種の山田錦、五百万石、美山錦、雄町が問われ、それ以外の品種が問われることは無いと思います。

米の品種の考え方

香味から米の主要4品種を当てる時の基本的な考え方は下記の通りです。香味が軽い方から重い方に並べています。

1. 五百万石
さっぱりとした香味、キレが良い
2. 美山錦
なめらかな香味、バランスが取れている
3. 山田錦
厚みのある香味、凝縮感あり
4. 雄町
ねっとりとした香味、甘味が強い

しかし米の品種を当てることは、日本酒のテイスティングで最も難しいことの一つです。日本酒は造り方によって酒質が大きく変わるため、上記の基本通り考えても当てられないことが良くあります。

産地から攻める

日本酒をふだんから良く飲んでいる人は、酒の産地から攻めて行くと、当てやすくなります。

五百万石

最も分かりやすいのが五百万石です。新潟県の酒が好きな人は多いと思います。教本P.125に書かれている通り、新潟県の酒は「淡麗辛口」が特徴です。「スッキリ、ドライ」と言い換えても良いと思います。

この特徴は、五百万石の特徴と一致します。新潟県の酒が全て五百万石というわけではありませんが、「あ、新潟の酒かな?」と思ったら、五百万石の可能性が高いと思います。

美山錦

同様に長野県の酒のファンも多いと思います。教本P.123に書かれている通り、長野県の酒は「透明感のある軽めの酒質」が特徴です。「ピュアで飲みやすい」と言い換えても良いと思います。

長野県の酒米はほとんどが県内で生産されていて、最も多いのが美山錦です。つまり長野県の酒の特徴は、美山錦の特徴と多くが一致します。長野県の酒のファンの方は「あ、長野の酒かな?」と思ったら、美山錦の可能性が高いと思います。

山田錦

山田錦は全国で使われて、その酒質は千差万別ですが、基本は兵庫県の灘にあると思います。教本P.137に書かれている通り灘の酒の特徴は「ボディがあり、飲み応えのある旨辛口」です。

灘には超大手メーカーが多いため、SAKE DIPLOMAを受けるような方は敬遠してあまり飲まないかもしれませんが、大手メーカーの上位の酒には大変素晴らしいものがあります。山田錦を知るために、灘の、特に生酛山廃系のお酒に親しんでおくことをおすすめします。

雄町

雄町は岡山県で全国の9割以上が生産されています。したがって雄町を知るためには岡山県の酒を飲んでおくべきでしょう。どちらかというと岡山県南部の備前、備中地域に、雄町らしい甘味の強い酒が多いと思います。

山田錦の別の当て方

この試験に限り、山田錦には別の当て方があります。

品種の設問は、例えば「山田錦を使ったお酒を選んでください」というものであり、「山田錦が主要品種のお酒を選んでください」というものではありません。つまり山田錦が1%でも入っていれば正解となります。

実は純米大吟醸酒または大吟醸酒は、他の米が主要品種でも、麹米(通常20%程度使用)だけは山田錦で仕込む酒蔵が多いのです。それは山田錦は吟醸用の麹が造りやすい品種だからです。

そのため「山田錦を使ったお酒を選んでください」という設問の正解の一つには、純米大吟醸酒または大吟醸酒が含まれることが多いのです。よく分からない場合には、あなたが純米大吟醸酒または大吟醸酒だと思った酒の番号を選択することをおすすめします。