テイスティング・コメントの選び方・味わいの酸味
酸味とは
日本酒に酸味をもたらす有機酸は、乳酸、リンゴ酸、コハク酸が中心で、含まれる有機酸全体の約80%を占めます。その他にクエン酸、酢酸などが少量含まれます。
SAKE DIPLOMAでは、酸味は乳酸系の酸味と、リンゴ酸系の酸味で表現を分けて、下記のように表現します。コハク酸は「酸っぱい」とはあまり感じない酸味なので、苦味の項目で表現すると考えてください。
乳酸系の酸味
乳酸は、濃度が低い時は「なめらか」に感じ、濃度が高い時は「力強い」(人によっては、くっきり、はっきり)と感じる酸味です。SAKE DIPLOMAでは下記のように表現します。数字が大きいほど強い酸味を表現していると考えてください。
- なめからな
- 丸みがある
- しっかりとした
- 力強い
リンゴ酸系の酸味
リンゴ酸は、濃度が低い時は「優しい」と感じ、濃度が高い時は「爽やか」に感じる酸味です。SAKE DIPLOMAでは下記のように表現します。数字が大きいほど強い酸味を表現していると考えてください。
- 優しい
- きめ細かい
- シャープな
- 爽やかな
選択の指針
ここは通常2個選択することが求められます。酒質に応じて、下記のように選択することをおすすめします。
純米大吟醸酒、大吟醸酒
リンゴ酸系の爽やかな酸味に重点を置いて表現します。リンゴ酸系の 1. 優しい と 2. きめ細かい をセットで選択することをおすすめします。
純米吟醸酒、吟醸酒
リンゴ酸系の爽やかな酸味に重点を置いて表現します。リンゴ酸系の 1. 優しい と 2. きめ細かい をセットで選択することをおすすめします。
速醸系酒母の純米酒
リンゴ酸系の爽やかな酸味に重点を置いて表現します。リンゴ酸系の 2. きめ細かい と 3. シャープな をセットで選択することをおすすめします。
生酛山廃系酒母の純米酒
乳酸系の力強い酸味に重点を置いて表現します。乳酸系の 3. しっかりとした と 4. 力強い をセットで選択することをおすすめします。
熟成古酒
乳酸系の力強い酸味に重点を置いて表現します。乳酸系の 3. しっかりとした と 4. 力強い をセットで選択することをおすすめします。
例外的なお酒もありますので、臨機応変に選択してください。乳酸系の表現と、リンゴ酸系の表現を混ぜて使ってもかまいません。