トレーニングの方法・テイスティング上達のコツ
テイスティング上達のコツ
テイスティング上達のコツは、下記のように3つあると思います。
- 必ずブラインド・テイスティングを行う
- 必ず比較する
- 再現性を高める
以下、順番に解説いたします。
ブラインド・テイスティングを行う
テイスティングは、その酒の銘柄やスペックが分からない状態で行うことをおすすめします。これをブラインド・テイスティングと言います。
逆にその酒の銘柄やスペックを確認しながら行うテイスティングのことを、オープン・テイティングと言います。
最初はオープン・テイスティングの方が分かりやすいと言う人もいますが、分かりやすいと思うのは錯覚です。オープン・テイスティングは時間の無駄だと思います。
ラベルを見ると脳が勝手に香りや味わいを作る
こんな実験があります。プロのソムリエ数名に、シャルドネワインのボトルの中身を、こっそりリースリングに入れ替えて、シャルドネのラベルを見せてからテイスティングしてもらい、コメントを発表してもらいました。
そうすると全員が、リースリングには絶対に無いはずの「樽香」を本当に感じ、それをコメントしたのです。つまりシャルドネワインのラベルを見た瞬間に、ありもしない樽香を脳が作り出してしまったのです。
これと同じことは、日本酒のテイスティングでも簡単に起こります。「純米大吟醸」というラベルを見た瞬間に、例えそのボトルに全然違うタイプの酒が入っていても、あなたの脳は勝手にフルーティで華やかな香味を作ります。ラベルを見てしまうと全然トレーニングになりません。
これを認知バイアスと言い、官能評価の最大の敵とされています。そのため、食品や飲料の官能評価に携わる専門家が、オープン・テイスティングをすすめることはまずありません。
比較する
テイスティングは、単独で行うよりも、複数の酒を比較した方が多くの情報を得ることができてトレーニングがはかどります。
1回に最低でも3種類、できれば6種類を比較することをおすすめします。多くのワインスクールのワインや日本酒のクラスでは1回6種類を比較しています。
振り返りを行い、再現性を高める
例えば1回6種類のブラインド・テイスティングを行ったら、日を改めて同じセットをシャッフルしてもう一度テイスティングしましょう。
前回と同じ評価ができていますか? 同じ評価ができるようになるためには「記録」が重要です。毎回テイスティングの記録をきちんと残して、自分のテイスティングの再現性を高めることをおすすめします。