ソムリエ試験 合格者の感想とアドバイス 野州の景虎さん
第2章: 一次試験対策 徹底した問題演習
「教本を丸暗記する勢いで勉強に臨もう!」 - ソムリエ協会に試験申し込みを行い、あのタウンページのような教本が届く前から、小心者の私はそう覚悟していました。だって、単純な話、試験に受かるには教本を完璧にマスターすればよいと考えていましたから。
ワインの勉強自体は、私にとって苦痛ではなく、むしろ知識が蓄積されていくことはかなり楽しいとすら感じられました。ですので、教本の実物を見たときは少し臆したかもしれませんが、それでも1ページずつ、または国ごとに継続して、かつ着実に勉強に取り掛かることができたと思います。
ワイン受験.comとの出会い
折しも、模擬問題を効率よくこなせる方法はないかとネットをあさっていたときに、こちらの「ワイン受験.com」に出会いました。使い勝手が良さそうで、使用料も紙媒体のテキストを買うよりも、長い目で見ればこちらのほうが断然安いという第一印象から、すぐ申し込みを行い、まずはフランスあたりから問題を解き始めました。
ところが、実際に模擬問題と向き合ってみると、現実はそう甘くないということを思い知らされました。それなりに教本を読んだはずなのに、全体的になかなか思うように点が取れないのです。
問われ方を知れば、点数を伸ばせる
それは「ワイン受験.com」にもあるとおり、徹底した問題演習に勝るものはないということと、これまでの試験とはやや異なる「問われ方」があるのではないかと考えました。
うまい説明はできかねますが、例えば日本ワインについてある程度覚えた気になったとしても、「濃縮果汁は使えるの?」「国外のぶどうを使った場合は?」「輸入ワインとどう違うのか?」というように、ある分野についてどのような方向から質問されても、100%まんべんなく答えられるぐらいでなければ、点数を伸ばしていくことは難しいということかもしれません。
徹底した問題演習が自信を生む
それはいわゆる、重要箇所を山かけという話ではなく、本質的な意味まで理解し、まんべんなく覚えるという勢いです。「ワイン受験.com」の模擬問題は、ご存知のとおり単なる過去問の寄せ集めではなく、それぞれの項目で考えられるパターンの問題がランダムに出題されます。
時にはいわゆる「意地悪問題」のような難問も含まれておりますし、これをこなすだけでもかなり結果が違ってくるということを実感し、最終的に大きな自信が付きました。そして第3章でも触れますが、このような実践に近い模擬問題を体験することで、実際の怪奇な問題に直面したとしても、ある程度心に余裕をもって対応できるようになると思います。
苦手分野の克服には苦労した
さて、模擬問題の出来栄えについては、フランスのボルドー格付けやブルゴーニュの畑名、イタリアの地図やDOCG、料理とチーズ等のメジャーな問題と得意分野に関しては、かねてからの下積みがあったので早期の段階で高得点を実現できたのですが、それ以外はかなり苦労を強いられました。
特に、日本とオーストラリアがどうも苦手分野だったらしく、満点を得るのに問題をこなす⇔教本を見直す作業をほかの国以上に念入りに繰り返しました。「あれだけ教本を読んだのに、全然点数が取れない!」というように、このあたりは結構自信をへし折られました。日本ワインの仕組みとかは結構わかりにくい印象がありましたね。7月中旬に入ってようやく満点を取れ続けるようになったぐらいでしょうか。
模擬試験には6月上旬からチャレンジ
マイナーな東欧の問題も解き、各国の模擬問題でそれなりに点数を稼げるようになった6月上旬頃から、次第に模擬試験にもチャレンジするようになりました。最初は合格最低偏差値ぎりぎりで、この体たらくでは落ちてしまうのではないかと不安が募りましたが、それでもめげずに何回もこなしていくと、試験直前の7月上旬頃には偏差値60を安定して超えられるようになりました。
一次試験は7月下旬と8月中旬
私は一次試験を、保険の意味も込め7月29日と8月18日の2日にわたって設定していましたが、できるだけ1回目で受かって二次試験対策に余裕を持たせたいという想いがあったので、3月に教本が届いてから、我ながらかなり根詰めて勉強に取り組みました。
今年は社会人として時間と精神的に余裕があったことが幸いし、往復の電車内でひたすら模擬問題を解き、自宅では空き時間と寝る前に教本を読みこんで、再び模擬問題を解くという、理想的な勉強スタイルを毎日確立できたと実感しております。
トータル1万7千問、やりきった...
模擬試験を含めると、3月〜7月の間でトータル17,291問をこなしました。この回答数がほかの方に比べて多いか少ないかはわかりませんが、私としては十分にやりきった、という気分でした。問題をこなす際も、主要国だけでなく、モルドバやルクセンブルク、カナダなどのマイナーな国々も確実に満点が取れるように心がけ、かつ教本の読み込みも怠りませんでした。
CBT方式でランダムに出題されるということは、場合によってはマイナーな問題が連続して出題されるという可能性も十分あり得ますからね。「マイナー産地だからどうせ出ない」と捨ててしまうのは非常にもったいないです。