ソムリエ試験 合格者の感想とアドバイス Yukoさん
第4章 我が家の二次試験対策は「家庭内小瓶交換会」
山崎先生のテイスティング理論講座からスタート
いよいよ二次試験対策。ここまで来たら何としても合格したい一心で、もう一頑張り。「一次試験に合格したら、二次試験のテイスティングは早めに始めた方が良い。」とは聞いていたものの、私たちは一次試験で消耗したエネルギーの充電も兼ね、8月下旬の山崎塾の「テイスティング理論講座」受講まで、特に勉強もせず過ごしていました。
コロナ禍で山崎塾での小瓶交換会や、お店での山崎先生のご指導が中止になり、またワイン以外のお酒をバーに飲みに行くこともできませんでしたので、私たちにはテイスティング理論講座だけが頼みの綱でした。
講座では一次試験直前講座同様、山崎先生から内容の濃いご指導がありました。テイスティングの仕方、出題傾向、特徴、コメントで点を稼ぐ方法等、多くの内容が網羅されていました。
ワインをそろえて小瓶に詰める
受講後、夫は講座内容を参考に、出題の可能性のある以下のワインを用意してくれました。
- シャルドネ(フランス、アメリカ)
- リースリング(ドイツ、フランス、オーストラリア)
- ソーヴィニヨンブラン(フランス、ニュージーランド)
- 甲州
- ミュスカデ
- ゲヴェルツトラミネール
- カベルネソーヴィニヨン(フランス、アメリカ、チリ)
- シラー / シラーズ(フランス、オーストラリア)
- ピノノワール(フランス、アメリカ)
- ガメ
- マスカット・ベーリーA
家庭内小瓶交換会を始める
ワインがそろったところで、次は小瓶の準備です。C1000の空ボトルに各種ワインを入れ、ビン底に品種、生産国、ヴィンテージを記入したテープを貼り、冷蔵庫で保管します。(テープに記載した内容はビン底を見ない限り判別できないようにしました。)私たちは家庭内小瓶交換会なるものを9月19日から始めました。
冷蔵庫から小瓶4~6種類をランダムに取り出し、テイスティンググラスに注ぎ、まずは、目の前のグラスの中のワインが何かを判断する練習から。品種と生産国、その特徴を書いたメモを見ながら、色の濃淡、香り、樽香、味をチェックし、判断内容を別のシートに書き込んでいきます。
まずは品種と生産国の判別、30回以上練習
すぐに判別の難しさを知りました。「今までいろいろ飲んできたから何となくわかる」という考えは通用しません。判別できる、似ている、迷う、混乱する、どうしてもわからない等、さまざまでした。
そのうち練習が苦痛になってきて、早く好きなワインを楽しみたいという気持ちにもなりました。私は時々感覚が鈍ることもあり、夫の正解数が増えてくると、またしても焦燥感が。それでも毎日根気強く練習し、次第にメモを見なくても特徴がわかるようになり、4種類のワインを約15分ぐらいで判別できるようになりました。練習は、その数30回以上、C1000のボトルは50本を超えました。
1週間前からはコメントの暗記と練習
試験一週間ほど前からコメントシートの暗記とシートの記入練習を始めました。試験では、たとえ品種や生産国、ヴィンテージを間違えたとしてもコメントの方向性が合っていれば得点につながるとのことです。
先生からいただいたコメントシートをコピーし、最初は赤白軽重の4種類で迷いなく正しいコメントを選択できるよう、その後は品種と生産国を特定し、コメントを選ぶのではなく、覚えたコメントを正確に書く練習をしました。
ワイン以外のお酒についても、出題の可能性が高いと思われるもので練習しました。私は20代に飲んでいたにもかかわらず、ウイスキー、ブランデー、ラムが区別できず、試験前2日間の練習でも正解できませんでした。
二次試験
10月12日の二次試験当日、会場のホテル雅叙園東京にはたくさんの受験生が集まりました。コロナ禍もあり、最近見たことのない光景でした。山崎先生には会場でお会いすることができ、「がんばってください。」のお言葉に後押しされ、試験会場に入りました。
着席し、既に用意された五種類のグラスを改めて見つめました。左端から白二種、赤二種、そしてワイン以外のお酒が並んでいました。右端のグラスには琥珀色のお酒が... 苦手なものが出題されてしまいました。
1番のワインに翻弄される
試験開始と同時にマスクを取ると、嗅いだことのある香りが漂ってきました。左端のグラスはその香りからゲヴェルツトラミネールだと直感しました。念のため飲んでみると違うような。私は気持ちが急いてしまい、すぐに解答用紙の最初のコメント欄からどんどんマークしていきました。
が、下欄まできて唖然。品種の選択肢にゲヴェルツトラミネールが無かったのです。山崎先生からご指導いただいた、「まず品種から解答すること」を忘れていたわけではないのですが、慌ててしまいました。
落ち着いてやり直す... 残り3つは確定できた
一瞬ドキッとしましたが、今マークした解答をすべて消し、落ち着いて左端のワインを確認するところからやり直しました。品種はわからずともコメントの方向性が合っていれば得点できるということで、不安はありませんでした。
試験では解答数が異なる問題もあり、指定数を超えた解答は点にはなりません。問題をよく読み、解答欄がずれないよう一つ一つ確認しながら慎重にマークしなければなりません。
私は最初のグラスで慌てたものの、残り三品種は確定でき、コメントもスムーズに解答できたので、時間的には少し余裕がありました。五種類のグラスに少し残した状態で、試験終了となりました。
夫とは答えが異なるところもありましたが、もう試験は終わってしまったので特に気にしませんでした。
品種2つ、生産国2つ、収穫年2つ正解
夕方、日本ソムリエ協会のホームページに二次試験の解答が掲載されました。左端のグラスの正解は、飲んだことがないトロンテスでした。また三番目のグラスの正解カベルネフランをカベルネソーヴィニヨンと解答したため、私が正答できたのは品種2、生産国2、ヴィンテージ2で、ワイン以外のお酒は、やはり間違えてしまいました。