ソムリエ、ワインエキスパート二次試験、信じてはいけない事
昔のソムリエ、ワインエキスパート二次試験は、今よりずっと簡単だったのです。また、やり方も今とは異なっていました。だから、みなさんよりも先に資格を取られた先輩たちのこんなアドバイスを真に受けてはいけません。
とにかく一次、一次が終わってから二次の練習
昔は確かにそうでした。一次さえ合格すれば二次はだいたいフリーパス。つまり、二次試験の合格率が極めて高かったのです。
今は状況が異なります。過去5年間のワインエキスパートの二次試験単体の合格率は74%、一次試験に比べれば楽ですが、でも4人に1人は必ず落ちるのです。一日も早く二次のトレーニングを始めましょう。テイスティングは短期間ではなかなか上達しません。
2ヶ年計画もアリ
ただし、一次さえ通過すれば二次は落ちても、翌年から5年間は最大3回まで一次試験が免除されます。したがって「とりあえず今年はまず一次の合格を目指す」というやり方も可能です。ご自身のレベルに応じて選択してください。
ていねいなテイスティングコメントを書けば、品種や生産国なんか当たらなくても合格できる
本当にテイスティングコメントが良ければ合格できます。しかし、品種や生産国を外すと、普通はテイスティングコメントの方向性がずれてきて点を失います。合格の可能性が低くなるのは間違いないでしょう。
当てなくても大丈夫な場合
品種や生産国が当たらなくても支障ないのは、難しい品種の場合です。例えば2017年にアルゼンチンのマルベックが出題されましたが、こんなの誰も分かりません。多くの人が無難にアメリカやチリのカベルネ・ソーヴィニョンと回答したと思います
全員が分からない品種は、設問が存在しなかったのと同じです。そしてマルベックとカベルネ・ソーヴィニョンのテイスティングコメントの方向性はほぼ同じなので、コメントをしっかり仕上げていれば全く支障ありません。
当てないとまずい場合
しかし、例えばアメリカのシャルドネを、オーストラリアのリースリングと間違えたとします。この場合は、テイスティングコメントの方向性が全くずれてきます。いくらていねいにコメントを仕上げても、合格の可能性は低くなるでしょう。
「テイスティングは品種当てゲームじゃないんだよ」と説く人もいます。おっしゃる通りだと思いますが、それは建前です。試験では1点でも多く取れるように努力すべきで、そのための最も確実な方法は基本的な品種をきちんと当てることです。